BPSD 認知症の周辺症状 行動と心理記事一覧

認知症とは、簡単に言うと、脳が壊れて、知能が無くなる病気だ。生まれてこの方、積み重ねてきた経験や知識、知恵や技術は、全て脳内にある。たとえば前頭葉は、自己コントロールの司令塔だ。物事を比較し、損得を秤にかけたりして、新しいことを始めたり、悪い習慣をやめようとする。脳の真ん中にある海馬には、記憶を司る役目があり、様々な情報を側頭葉に書き込んだり側頭葉から様々な記憶を引き出して、前頭葉に情報を伝える。...

認知症は脳が壊れる病気だ。脳の壊れた部分によって、様々な障害が出て苦しむ。ただ認知症が厄介なのは、患者本人が苦しむだけでなく、世話をする身内やヘルパーなど、身近な者にも負担がかかることだ。そこで認知症では患者本人の症状と、そこから生まれる様々な行動や心理を、分けて考えている。患者本人の症状のことをを「中核症状」と呼び、中核症状から派生して起こる様々な行動や心理を「BPSD(行動・心理症状)」と呼ぶ...

アルツハイマー病などでは、半数の患者に妄想が起こる。妄想というのは簡単に言うと、「根拠のない思い込み」だ。根拠のない思い込みが、なぜ起こるかというと、自分の頭に浮かんだアイデアが、現実なのか単なる思いつきなのか判断する能力が狂っているからだ。そして根拠のない思い込みで、「言いがかり」のような事をするので、周囲の者を困らせたり傷つける。もう少し詳しく説明すると、アルツハイマー病では、脳の海馬というと...

認知症のBPSD(行動・心理症状)、次は「夜間徘徊(はいかい)」だ。夜間徘徊とは、その名の通り、夜に街をウロウロ歩き回ることで、英語で言うとnight-walkingだ。認知症患者が、なぜ夜に歩き回るのかはよく分からないが、本人には何らかの目的があって、どうしても出かけないといけないらしい。たとえばある認知症患者さんは、家にいても夜になるとソワソワし始め、「そろそろ家に帰らなきゃ」といって、慌てて...

認知症では食事トラブルも多く、様々なタイプのモノがある。たとえば意欲障害が起こると、食事に対する意欲がなくなる。介護でも「食事拒否」といって、食べるのを拒否される。拒否される理由は色々あって、量が多いとか少ないとか、味が濃いとか味がないとか、非常に様々だ。その結果、必要な栄養が取れず、栄養不足が起こってしまう。タダでさえ高齢者は、タンパク質不足になりやすく、筋肉が落ちている場合が多い。なので認知症...