認知症の予防とリハビリ記事一覧

認知症やボケの症状が進行する原因の一つは、廃用(はいよう)症候群だ。廃用症候群とは、安静にしていることで起こる心身の機能低下のことを言う。病気やケガなどで長期間寝て過ごすと、足腰の筋肉が落ちてしまって、歩くこともままならなくなる。関節も硬くなってしまって、動作がぎこちなくなり、ケガしやすくなったりする。「廃用」という用語からは、乳が出なくなった廃用牛のようにもはや回復不能のイメージを持つが、使わな...

認知症やボケで問題になるのが、廃用症候群(生活不活発病)だ。廃用症候群というのは学術用語だが、何の意味だかわかりにくいので、「生活不活発病」と呼んでるらしい。これは簡単に言うと、活動的でない生活によって、身体の機能が衰えてしまう病気だ。というのも我々の身体というのは、「使わない機能は衰える」かららしい。身体を動かさないと筋肉は落ち、心肺機能も衰える。たとえば大病をして寝たきりになると、使われない筋...

認知症の予防やリハビリには、理学(りがく)療法・作業療法・言語聴覚療法の三つがある。この中の理学療法とは、運動療法や電気療法、マッサージや温熱療法などを指すが、認知症の予防やリハビリには、主に運動療法が使われる。ただ、運動療法と行ってもいろいろで、目的によって中身はかなり異なる。糖尿病でも運動療法が行われるが、糖尿病の運動療法と、認知症の運動療法は、かなり違う。というのも糖尿病の運動療法では、「血...

認知症の予防やリハビリのために、運動を取り入れるのは良い。ただし運動といっても様々で、目的をハッキリさせておかないと、頑張ってるのに効果が出ない。認知症予防のためなのに、糖尿病のための運動をしても、あまり効果が出ないから、注意が必要だろう。糖尿病の運動療法の目的は、あくまでも血糖値を下げることで、認知症やボケ対策ではない。そのため、糖尿病の運動療法に一生懸命取り組んでいても、認知症やボケ症状はよく...

認知症やボケのための運動療法は、筋力強化(筋力トレーニング)バランス訓練(体幹トレーニング)関節可動域訓練(ストレッチ)の3つの方法で行われる。糖尿病の運動療法では、有酸素運動が中心であるが、認知症の運動療法では、動きやすい身体作りが主眼だ。糖尿病では高血糖が最大の問題だから、運動療法も血糖値を下げるのが主眼で、そのために有酸素運動が使われる。しかし認知症では、運動を通して、脳を刺激し続けることで...

コグニサイズ(cognicise)とは、認知症予防プログラムで、運動と認知トレーニングを組み合わせたモノだ。コグニサイズは、認知を表すcognitionに、運動・訓練の意味のexerciseを併せた造語だ。コグニサイズを開発して推進しているのは、国立長寿医療研究センターで、様々なバリエーションがある。コグニサイズの色々コグニウォークコグニステップコグニダンスコグニバイク計算やシリトリなどの認知課題...

コグニサイズ(cognicise)とは、認知症予防プログラムで、運動と認知トレーニングを組み合わせたモノだ。コグニサイズは、認知を表すcognitionに、運動・訓練の意味のexerciseを併せた造語だ。コグニサイズを開発して推進しているのは、国立長寿医療研究センターで、様々なバリエーションがある。要点は、心拍数が少し上がる程度の運動と、計算や、しりとりを組み合わせること。

言語聴覚療法(ST)とは、頭と口を動かすリハビリだ。認知症では、様々な原因で、人と会話することが難しくなったり、モノを飲み込めなくなったりする。見当識障害では、時刻や自分のいる場所が分からなくなり、知り合いの顔も忘れてしまう。そのため何を話せば良いのか、誰と話せば良いのか分からなくなり、会話するのもおっかなびっくりになる。また「失語症」といって、言葉の意味がわからなくなり、話ができなくなる場合もあ...

失語症(しつごしょう)とは、脳出血や脳梗塞などで、脳の言語関連領域が傷んで、言語能力を失う症状だ。失語症はアルツハイマー病や、脳炎によっても起こる障害だが、様々な状態がある。失われた機能が何かによって、リハビリの方法も変わってくるので、何ができなくなっているかを、最初にまず見極める必要がある。失語症には大きく分けて3つの症状があり、それが次のようなモノだ。失語症の3つの症状発語における誤り話し言葉...

認知症の失語症の症状は、次の3つに分類できる。発語における誤り話し言葉の理解障害物品の呼称障害まず「発語における誤り」とは、「順序立てて話ができない」「長い文章で誤らずに話せない」ということだ。「発語」(はつご)とは、なんらかの意味を持った言葉を発するという意味だが、話そうとしても間違えてしまうのが、「発語における誤り」だ。これは、文章を組み立てて、口から発するまでの経路が、うまく働かないと言うこ...

脳に良い食べ物は意外なことに油(脂肪酸)だ。油が脳に良いなんて、と思うが、脳細胞の細胞膜はリン脂質という、リン酸と脂肪酸(油)でできている。そのため、油不足になると、神経細胞が再生できないのだ。もちろん油なら何でも良いわけではない。脳の神経細胞に必要なのは、DHA(ドコサヘキサエン酸)とアラキドン酸の2種類の油だ。というのも脳のリン脂質の構成比は、一番多いのがDHA(17%)で、次がアラキドン酸(...

脳の重量は5歳くらいまで、猛スピードで成長して重くなる。そして20歳くらいまで成長し、20歳以降は歳をとるにつれて徐々に軽くなっていく。一方、神経細胞(ニューロン)の数は、生まれた時の前後が最も多く、それがなんと2歳頃になると、約3割まで減ってしまう。神経細胞の数が3分の1になるのに、脳の重量がどんどん増えていくのは、ちょっとおかしな話であるが、実は一つ一つの神経細胞が成長し、大きくなって重くなっ...

認知症の物忘れ症状は、脳内にある海馬という器官が、萎縮する過程で起こる。そのため、海馬の萎縮を抑えて、神経細胞の回復を促すと、認知症の症状改善に役立つ。脳の神経細胞というのは、「一度壊れると再生しない」と思われていたが、様々な動物の脳で神経新生が観察され、人間の脳でも海馬の周辺で、ニューロン新生が起こっていることが分かった。脳の神経幹細胞から神経細胞・ニューロンや、アストロサイト、オリゴデンドロサ...

脳に良い成分・栄養素は、脳に多い成分だと考えられる。たとえばDHA(ドコサヘキサエン酸)は、眼球と脳に集まっている成分だ。同じオメガ3系統のαリノレン酸やEPAは、体中に存在して様々な働きをするが、DHAはなぜか目と脳に集中している。なぜこういうことが起こるかというと、脳には脳障壁とか脳関門と呼ばれる、関所みたいな仕組みがあるからだ。脳は動物にとって非常に大事な器官だから、変なモノが入ってこないよ...

フェルラ酸は、米ぬかや小麦のふすまなどに含まれるフェノール類(芳香族アルコール)だ。植物の細胞壁の中に存在して、リグニンというフェノール性化合物を作る材料になっている。要するに木や穀物の皮の成分だが、このフェルラ酸には、様々な作用がある。まず食品添加物として、色落ちを防ぐ。食品の色が変わるのは酸化が原因だが、フェルラ酸には酸化防止作用があって、それで酸化防止剤として使われている。γ-オリザノールや...

BDNFと呼ばれる成分も、近年話題になっている。BDNFとは、Brain-derived neurotrophic factorの略で、日本語では「脳由来神経栄養因子」と訳されている。BDNFは、大脳皮質や記憶を司る脳の海馬(かいば)、小脳などに分布しているタンパク質だ。BDNFタンパクは、神経伝達の長期増強の生成や維持に関わっており、記憶力や学習や高度な思考に大きな影響があるという。BDNFタン...