認知症と中核症状 認知症とは何か記事一覧

認知症(にんちしょう)とは、「いったん成熟した知能が、なんらかの脳の障害によって、広く、継続的に低下する症状」だ。我々は子供の頃から経験や勉強、努力することによって、知能を獲得する。それが何らかの原因で、ジワジワと壊れていく状態が認知症というモノらしい。昔、持っていたはずの能力や、簡単にできたはずのことが、いつの間にかなくなっていたり、できなくなっているというのは、ボケの症状と同じだ。ただしボケは...

物忘れがひどくなった、ついさっきのことが思い出せない。こういう物忘れは、普通のボケ症状や、ウツ病などでも起こる。居間や台所に来たり、冷蔵庫を開けて、「あれ、何をしようとしてたっけ」などと思った経験は誰にでもあるだろう。また外出のために家を出たけれど、「あれ、火消したっけ」「鍵閉めたっけ」などと気になって家に戻ることもある。バスの時刻などを気にして慌てて出かけたりすると、火の元の確認をし忘れたり、戸...

認知症には4つのタイプがあり、多いのは脳血管性認知症とアルツハイマー病らしい。脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血で起こるが、症状は人によってバラバラだ。一方、特徴がハッキリしているのが、アルツハイマー病と、レビー小体型認知症だ。アルツハイマー型の認知症は、記憶がドンドン消えていく病気だと思えば良い。脳の海馬(かいば)という、記憶を司る器官が萎縮して新しいことが覚えられなくなる。海馬がちゃんと働かない...

認知症とは、脳が壊れて起こる病気だ。脳が壊れるため、壊れた部分が司っていた知識や能力を失う。失った知識や能力は、もはや戻らない。というのも脳の神経細胞が、丸ごと壊れてしまっているので、脳の神経細胞が治ったとしても、知識や能力は失われたままで、全て一からやり直しである。この認知症で一番多いのは、アルツハイマー病だ。アルツハイマー病では、脳の海馬という器官が萎縮したり、側頭葉や頭頂葉の神経細胞がジワジ...

認知症とは、身についた知能が、どんどん失われていく病気だ。努力や経験から学んだ様々な知識や能力が、なくなる病気だと思えば良い。以前は簡単にできたことが、どういうわけだかできなくなり、生活に支障を来すようになる。特にアルツハイマー病ではモノを覚えるのが難しくなり、古い記憶もどんどん消えていく。もちろん普通のボケ症状やウツ病でも、物忘れは起こるのだが、これは「覚えたはずのことが、思い出せない」という症...

認知症には大きく分けて、4つのタイプの認知症がある。それが、アルツハイマー病、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭変性型認知症という四つの認知症だ。実はこれ以外にもたくさんの認知症があって、アルコール性認知症もその一つだ。アルコール性認知症は、その名前の通り、アルコールの飲み過ぎによって起こる認知症で、長期間アルコールを飲み続けると、発症リスクが高まる。アルコール性認知症の特徴は、見当識障...

認知症には様々なタイプがあるが、認知症の症状と言えば、まずは「記憶障害」だろう。記憶障害というのは簡単に言うと、記憶を思い出すことができない新しくモノを覚えることができないということに尽きる。記憶を思い出すことができないとは、頭の中にあるはずの記憶を、引き出してくることができないということで、「アウトプットができない」ってことだ。新しくモノを覚えることができないとは、頭の中に情報を刻み込めないとい...

認知症の本を読んでいると、たびたび出てくるのが「見当識」(けんとうしき)と言う言葉だ。見当識とは、簡単に言うと、今日が何年何月何日で、自分が今いる場所がどこかという「現状把握力」のことだ。今日の日付は怪しくても、今どこにいるか分からないなんて…とは思うのだが、これが分からなくなる。見当識障害とか、失見当識と呼ばれ、記憶障害と共に認知症のメジャーな症状だ。見当識障害の例日付に関しては時刻をたびたび間...

認知症や脳の話題で、近年注目されているのが、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)だ。この名付け親は、ワシントン大学の、マーカス・レイクル教授なのだが、あるとき脳のエネルギーに疑問を持った。というのも、我々の脳には何に使われているのか全く分かっていない消費エネルギーがあったのだ。もう少し詳しく書くと、脳が一日に使うエネルギーは、400キロカロリー前後である。そのうち脳の細胞の修復などのメンテナ...

認知症で厄介な症状として、危険なことを平気でやろうとしたり、何でもかんでも口に入れようとしたり、性欲が異常に高まる、と言うのがある。これは脳の扁桃体(へんとうたい)の周辺部分に問題があるときに、現れると考えられる症状だ。扁桃体は、アーモンドの形をした器官で、記憶を司るとされる「海馬」の端にあり、「視床下部」につながっている。扁桃体はに左右一対あるが、位置としては、目の後ろ側、こめかみの奥といった感...

認知症で脳が萎縮する原因は、まだハッキリしていないらしい。一時期、アルミニウムが原因か?とされたこともあったが、根拠がない説として否定されている。ただ萎縮が起こっている脳内で、何が起こっているかは、少しずつ分かってきた。まずアルツハイマー病の患者の脳では、アミロイド・ベータというタンパク質が、排出されずに溜まってしまうらしい。このアミロイド・ベータ・タンパク質が集まったところが「老人斑」で、その周...

アルツハイマー病の原因として、今、一番有名なのが、「アミロイド・カスケード仮説」だ。アルツハイマー病の患者の脳には、「アミロイド・ベータ」というタンパク質がたくさん溜まっており、これが脳の細胞や組織を変性させて壊しているという説だ。アミロイドというのは、タンパク質が絡まって繊維状になったもので、「クモの糸」もアミロイドの一種だ。2型糖尿病やパーキンソン病、動脈硬化・関節リュウマチなどでも、別の種類...

アルツハイマー病患者は、脳内インスリン濃度が低くて、ブドウ糖をエネルギーとして、うまく取り込んでいないらしい。そこでブドウ糖に替わる脳のエネルギー源として、脂肪から作られるケトン体を、たくさん送り込めばどうか。そういう認知症対策も出てきた。このケトン体を増やす食餌療法が「ケトン食療法」と呼ばれるモノだ。ケトン食では炭水化物を極端に減らし、野菜と肉や魚などのタンパク質を摂る。それだけではエネルギー不...