アラキドン酸不足を防ぐには、肉や魚、卵などをたくさん食べる

認知症の物忘れ症状は、脳内にある海馬という器官が、萎縮する過程で起こる。

 

そのため、海馬の萎縮を抑えて、神経細胞の回復を促すと、認知症の症状改善に役立つ。

 

脳の神経細胞というのは、「一度壊れると再生しない」と思われていたが、様々な動物の脳で神経新生が観察され、人間の脳でも海馬の周辺で、ニューロン新生が起こっていることが分かった。

 

脳の神経幹細胞から神経細胞・ニューロンや、アストロサイト、オリゴデンドロサイトといった「グリア細胞」が分化するのだ。

 

神経幹細胞がニューロンに分化するのを促進するのがDHA(ドコサヘキサエン酸)で、神経幹細胞がアストロサイトに分化するのを促進するのがアラキドン酸だってことらしい。

 

そのため、健康な脳を作るためには、このDHAとアラキドン酸が不足しないように、様々な工夫をすることが必要になる。

 

アラキドン酸は、肉や魚、卵などのタンパク質食品に含まれているし、DHAもイワシやマグロなどに含まれているので、肉と魚を卵を食べておれば不足はしないはず。

 

ただし日本の場合、食事でタンパク質を摂ると言うことは、あまり意識されていない。

 

料理番組でも、栄養素が足りてるかどうかは二の次で、美味しいだとか簡単にできると言うことがメインだ。

 

日本人にはタンパク質をしっかり摂るという「常識」がないから、ダイエットでもタンパク質の無いものを食べるし、そういう食事で平気ってことらしい。

 

そのためかどうかは知らないが、日本の高齢者は栄養不足気味だという。

 

食事でタンパク質を摂る意識が薄くて、さらに歳のせいで食が細ってしまうから、タンパク質不足になるのも当然だろう。

 

タンパク質は1日に最低、60グラムから100グラムは必要だが、毎食、タンパク質を何グラム食べているのか、意識して食事をすべきかも知れない。

 


主な食用油の脂肪酸組成

アラキドン酸は、肉や魚、卵などの食品に豊富だから、タンパク質をたくさん摂る食生活なら、心配は要らないかも知れない。

 

しかしDHAは努力して摂らないと不足する。

 

というのもDHA源となる食品は、非常に限られているからだ。

 

DHAは、サバ、サンマ、鮭、イワシ、マグロの脂身、ブリ/ハマチ、ニシン、ウナギなどに多く含まれる。

 

また我々の身体は、αリノレン酸という脂肪酸(油)からもDHAを作ることができる。

 

αリノレン酸を多く含むのは、フラックスオイル(亜麻仁油)や、エゴマ油、しそ油などである。

 

エゴマ油とシソ油は実は別物だが、エゴマはシソの仲間で、脂肪酸組成もかなり近い。

 

そして意外だが、キャノーラ油(改良菜種油)にもαリノレン酸がたくさん含まれている。

 

主な食用油の脂肪酸組成を調べてグラフを作ってみたので、参考に。

 

このグラフを見る限り、αリノレン酸を含む油って限られているから、油選びには、いろいろ注意が必要だ

主な食用油の脂肪酸組成のグラフ
赤い部分がαリノレン酸。

 

※クリックすると、大きなグラフを見ることができます。

 


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