認知症とは、知能が失われる病気
認知症とは、身についた知能が、どんどん失われていく病気だ。
努力や経験から学んだ様々な知識や能力が、なくなる病気だと思えば良い。
以前は簡単にできたことが、どういうわけだかできなくなり、生活に支障を来すようになる。
特にアルツハイマー病ではモノを覚えるのが難しくなり、古い記憶もどんどん消えていく。
もちろん普通のボケ症状やウツ病でも、物忘れは起こるのだが、これは「覚えたはずのことが、思い出せない」という症状だ。
知ってるはずの英単語や、覚えた数学や理科の公式が、頭の中から出てこない、と言う話だ。
つまり脳内に記憶自体はあるのだが、脳の前頭葉の働きが鈍くて、記憶をうまく引き出せないだけ。
しかし認知症の「物忘れ」は、ボケ症状やうつ病の物忘れとは、根本的に原理が違っていて、記憶を担当していた脳の細胞そのものが壊れてしまうのだ。
その結果、長年見慣れているはずの家族の顔すら見分けられなくなる。
さらにアルツハイマー病が進むと、家の周囲の土地勘までなくなり、家に帰ってくるのも難しくなる。
こういう風に脳のどこかが壊れて、今まで簡単にできていたことが、できなくなってしまうのが認知症だと思えば良いだろう。
そして脳の壊れ方によって、認知症には4つのタイプがある。
それぞれ
- アルツハイマー病
- レビー小体型認知症(パーキンソン病)
- 脳血管性認知症
- 前頭側頭葉変性症
4種類の認知症・まとめ
認知症とは、脳の一部が壊れて、知識や能力がなくなる病気だ。
壊れる脳の部分によって、違った症状がでるので、4つのタイプに分類される。
まず「アルツハイマー病」は、脳の海馬という器官が萎縮し、側頭葉や頭頂葉に萎縮が拡がる。
海馬は記憶を支配する器官なので、モノが覚えられなくなる。
そして側頭葉にはたくさんの記憶があるため、萎縮が拡がれば拡がるほど、記憶がドンドン消えていく。
さらに頭頂葉が壊れると、視空間認識もなくなるので、道に迷って家に帰ってこれなくなる。
発生率としてはアルツハイマー病が一番多いタイプの認知症だ。
認知症の2つめのタイプは、「レビー小体型認知症」だ。
レビー小体型認知症と言っても、なかなか耳慣れないかも知れないが、「パーキンソン病」と言えば、分かる人もいるかも知れない。
パーキンソン病とは、身体がこわばって動かせなくなる病気だが、パーキンソン病患者の脳幹細胞には、「レビー小体」というものができる。
このレビー小体が、大脳皮質の細胞全般的にできるのがこのタイプだ。
レビー小体型認知症の特徴は、「幻視」つまり、幻を見るタイプで、人や動物以外のモノに話しかけたりする。
また日によって症状が変わったりして、まだまだ謎が多い認知症だが、70代以上の高齢者で発生率が高い。
認知症の三つ目ののタイプは、「脳血管性認知症」だ。
これは脳の血管が壊れて起こるタイプの認知症で、脳梗塞や脳出血などの後遺症だ。
脳梗塞や脳出血の後遺症だから、脳のどこでそれが起こったかで、様々な症状が出てくる。
一方、64歳未満に多いのが、認知症の第4のタイプの「前頭側頭葉変性症」(前頭側頭型認知症)だ。
これは前頭葉や側頭葉が萎縮し、新しいことや変更ができなくなり、日頃抑えていた欲望が、抑えられなくなるタイプの認知症だ。
要するに認知症というのは、脳が壊れて起こる病気で、壊れた部分によって症状が違うって事だね。