認知症とボケ、ウツ病と物忘れ

認知症(にんちしょう)とは、「いったん成熟した知能が、なんらかの脳の障害によって、広く、継続的に低下する症状」だ。

 

我々は子供の頃から経験や勉強、努力することによって、知能を獲得する。

 

それが何らかの原因で、ジワジワと壊れていく状態が認知症というモノらしい。

 

昔、持っていたはずの能力や、簡単にできたはずのことが、いつの間にかなくなっていたり、できなくなっているというのは、ボケの症状と同じだ。

 

ただしボケは、脳に障害がない状態で、「使わない能力が衰える」だけらしい。

 

脳の前頭葉には様々な領域があって、様々な能力を担当しているのだが、日頃から使われていない領域は、次第に血管が細ってうまく動かない。

 

高血圧や糖尿病でもボケ症状が出るが、毛細血管に血液がうまく流れないと、やはりそれがボケ症状につながるらしい。

 

だから単純なボケ症状であれば、散歩や音読などを習慣にするなどして、脳の使っていない部分を使うと、徐々に回復させることができるらしい。

 

能力が失われるのではなく、脳の一部がうまく動かなくなるだけなので、それを動かす努力をすれば良いわけだ。

 

しかし認知症の場合は、何らかの病気が脳で起こっていて、全般的に脳が壊れていくらしい。

 


本人に全く自覚がないのが認知症

認知症のわかりやすい症状の一つに「物忘れがひどい」というのがある。

 

物忘れが起こる原因はいろいろで、認知症以外でも、ボケやウツ病で物忘れが起こる。

 

ただ普通のボケやウツ病の物忘れと、認知症の物忘れは、何が違うのかというと「自覚があるかどうか」らしい。

 

普通のボケによる物忘れの場合、「最近、物忘れがひどくなったな」と本人が自覚することができる。

 

「あれ、今何してたっけ?」「何のためにここへ来たっけ?」というようなことは誰でも経験があるだろう。

 

これが普通のボケ症状で、本人に何かを忘れたという自覚がある。

 

一方、認知症の場合は、物忘れしている自覚が殆ど無い

 

認知症の物忘れは、出来事があったこと自体、丸ごとすっぽり記憶がないらしい。

 

つまり、「あれ?ご飯食べたっけ?」と思って、思い出そうとするのが普通の「ボケ」で、飯を食った記憶がなく「ご飯食べてなかった」とまたご飯を食べようとするのが認知症らしい。

 

ウツ病で起こる物忘れも、本人に自覚があって、記憶力がなくなったことを痛感している。

 

「あれ、最近、モノを覚えていられなくなった」と言う風に、自分自身で記憶力低下が分かる。

 

認知症も最初の段階では、抑うつ症状が出たりするらしくて、ウツ病と認知症は混同されやすいという。

 

しかしウツ病の場合は、ウツと記憶力低下は比例して起こる。

 

ウツがひどくなると記憶力も低下するし、ウツが軽くなると、記憶力もよくなる。

 

一方、認知症の場合は、記憶力がいったんなくなると、そこから回復することはなかなかない。

 

他にも、認知症と間違えやすい症状としては、「セン妄(もう)」というのがある。

 

セン妄とは、注意散漫になるとか、幻覚を見るとか、急に興奮し出したり、不安に襲われるという症状で、肺炎や、神経関連の薬の誤用で起こる。

 


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