ホスファチジルセリン(PS)とはなにか?

脳に良い成分・栄養素は、脳に多い成分だと考えられる。

 

たとえばDHA(ドコサヘキサエン酸)は、眼球と脳に集まっている成分だ。

 

同じオメガ3系統のαリノレン酸やEPAは、体中に存在して様々な働きをするが、DHAはなぜか目と脳に集中している。

 

なぜこういうことが起こるかというと、脳には脳障壁とか脳関門と呼ばれる、関所みたいな仕組みがあるからだ。

 

脳は動物にとって非常に大事な器官だから、変なモノが入ってこないように、厳重に物質を選んで通しているわけだ。

 

そこで脳に取り込まれやすい物質と、脳に取り込まれない物質に分かれて、特定の物質だけが脳に集まるわけだ。

 

なのでDHAのように脳に集まっている成分は、脳に良いのだと考えられるし、少なくとも害がないと考えられる。

 

そういう物質の一つに、「ホスファチジルセリン」がある。

 

ホスファチジルセリンは、動物の脳や肝臓、腎臓などに多い成分で、大豆にも多く含まれている物質だ。

 

このホスファチジルセリンは、通常、細胞膜の内側にある成分だが、一般細胞では細胞膜のリン脂質の3%を占めるに過ぎない。

 

ところが脳の細胞のリン脂質ではなぜか、ホスファチジルセリンが10%を占める。

 

脳の細胞壁のリン脂質では、DHAやアラキドン酸が特に多いが、ホスファチジルセリンもかなり多いので、これも脳内で何か特別な役割を持っていると考えられるわけだ。

 


認知症にホスファチジルセリンは役に立たない?

ホスファチジルセリン(PS)は、細胞膜のリン脂質の成分だ。

 

普通の細胞膜にも含まれるが、脳の細胞では特に多くて、脳に良いのでは?と考えられる。

 

というのも脳には脳関門という、関所のような仕組みがあって、脳に多い成分というのは、重要だと考えられるからだ。

 

そのため、認知症改善に役立つのでは?と、一時期は盛んに研究されていた。

 

ところが2003年にアメリカのFDA(食品医薬品局)が、様々な研究結果を総合した結果、「認知症改善に特に役立つとは言えない」と言う風に結論づけている。

 

脳には何か良さそうだけれど、特に認知症を改善したり、認知症の進行を抑えるような働きは、認められなかったということらしい。

 

その後も認知症に関して、役に立ったという研究はないようだが、スポーツなどの激しいストレスを緩和するのにホスファチジルセリンが役立つとか、子供のADHD(注意欠陥・多動性障害)の改善に寄与するという報告が出ている。

 

ADHDは注意力がなくて落ち着きがなく、ずっと座っていられないという症状だが、1日200mg程度を2ヶ月以上の投与した結果、ADHDの症状が有意に緩和したということらしい。

 

ホスファチジルセリンは、ストレス時に増えるコルチゾールというホルモンの増加を抑える。

 

強いストレスは、脳の海馬を萎縮させるのだが、これはコルチゾールが海馬を壊すかららしい。

 

つまりホスファチジルセリンが積極的に認知症を改善するのではなく、海馬をコルチゾールから守って、認知症の進行を遅らせる程度だと考えるのがちょうど良いのかも。

 

因みにホスファチジルセリンを多く含むのは、大豆、サバやウナギ、マグロ、皮付き鶏もも肉などだ。

 


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