周囲の人の声が耳に入らない、皆と一緒に笑えない
頭が真っ白になって、言葉が出てこない。
こういうケースはたいていの場合、感情が高まってしまっていて、何を言えばよいのか分からなくなるパターンだろう。
前頭葉は、思考する他にも、感情をコントロールしているので、感情を抑えるのに手一杯になると、考えることができなくなるのだ。
ところがこれ以外にも、言葉が出てこない場合がある。
それは「状況が分かっていない時」だ。
周囲の話がよく分かっていないと、何を言ったらよいのか分からず、それで言葉に詰まる。
これは頭がボケていない人でも、何を言えばよいのか困るケースだから、言葉が出てこなくても異常ではない。
ただし会議や酒の席・パーティなどで、大勢の人が話している時に、誰が何を言っているのかわからなくて、言葉に詰まるなら、ボケ症状らしい。
これは意識が前方にだけ集中していて、周囲への意識が向かなくなっているかららしい。
テレビやパソコンなどに長時間向かっていると、背後に誰かが来ても気づかなかったりするが、そういう状態がヒドくなっている感じだ。
また、周囲の者の声が聞こえていても、言葉に詰まるという場合もある。
この場合に考えられるのは、「話の要点がわからない」ってことだ。
誰が何を言っているのか分かっても、話の内容が理解できなければ、何を言えばよいのか分からない。
事情に詳しい人や専門家が集まっている中に、一人だけ素人が混ざってるなら仕方がないが、学友や仕事仲間とであれば問題だろう。
これは他人がしている話から、言葉を拾う能力が落ちているせいらしい。
こういう場合は、みんなが笑っても、なんで笑ったのかわからないし、同じタイミングで笑えないからすぐ分かる。
カクテルパーティ効果とボケ
他人の話について行けない。
みんなと一緒に笑えない。
これもボケ症状の一つだという。
会議やパーティなどで、大勢が話しているときに、視野に入っていない人の声が耳に入ってこない。
そのため話題について行けず、みんなが笑っているときに、一緒に笑えなくなるらしい。
これは意識が前面に集中して、周囲への意識がなくなっているせいだ。
というのも実は、人がたくさんいても、意識が向いておれば、声は聞こえるはずだからだ。
これは「カクテルパーティ効果」という現象で、人が大勢いる場でも、知ってる人の声に脳が周波数を合わせようとするのだ。
ところが脳がボケていて、周囲に注意が向かない状態だと、カクテルパーティ効果が起こらない。
本やマンガに熱中している子供が、家族の呼ぶ声に反応しないようなもんだね。
また、話が聞こえていたとしても、何の話をしているのか理解する能力もなければ笑えない。
大事なキーワードさえ聞き取れれば、話が全部聞こえなくても、ある程度、話の展開が予想できる。
そして話の雲行きが悪くなり、何か起こりそうだと聞く人が思い始めた頃に、思いがけない言葉が飛び出すから、みんなどっと笑ったりするわけだ。
この笑いのポイントがずれると言うことは、話の展開を予想していないと言うことで、これが前頭葉が働いていないってことらしい。