脳由来神経栄養因子・BDNFとは
BDNFと呼ばれる成分も、近年話題になっている。
BDNFとは、Brain-derived neurotrophic factorの略で、日本語では「脳由来神経栄養因子」と訳されている。
BDNFは、大脳皮質や記憶を司る脳の海馬(かいば)、小脳などに分布しているタンパク質だ。
BDNFタンパクは、神経伝達の長期増強の生成や維持に関わっており、記憶力や学習や高度な思考に大きな影響があるという。
BDNFタンパクの血中濃度は、65歳以上になると次第に減ってきて老化にも関係がある。
またウツ病やアルツハイマー病(認知症)患者においても、血中濃度が低くなっているという。
これはナントカせねば。
BDNFは、脳の神経細胞で作られるタンパク質
神経を発達させるタンパク質を、「神経栄養因子」という。
神経栄養因子には4つの種類があって、
- 神経成長因子(nerve growth factor/NGF)
- 脳由来神経栄養因子 (BDNF)
- NT3
- NT4/5
となっていて、全部タンパク質だ。
NGFは主に心筋・平滑筋(内臓)・脂肪組織・卵巣などに分布し、BDNFは主に大脳皮質・海馬・小脳などに分布する。
つまりBDNFは主に脳の神経細胞で作られるタンパク質で、だから「脳由来」と呼ばれる。
より詳しくは、神経細胞のシナプス前部(軸索終末)とシナプス後部(樹状突起)の両方から放出される。
それが脳の神経細胞を発達させ、記憶したり学習したりモノを考えたりできるようにしてくれるわけだ。
この「脳の栄養素」とも呼ばれるBDNFタンパクを増やすことが、老化による記憶減退や、認知症予防になると考えられている。
参照:神経栄養因子
運動と日光浴と半日断食で、BDNFを増やせる?
歳をとったり、認知症になると、BDNFタンパクの分泌量が減る事が分かっている。
また記憶力や学習力と、BDNFの血中濃度には、相関関係があったという報告もある。
なのでBDNFタンパクの分泌量を増やせば、老化や認知症予防になると考えられる。
つまりBDNFタンパクをどうやれば増やせるかは、アンチエイジングのために重要だ。
では、どうやればBDNFを増やせるか。
それにはまず、「適度な運動」だという。
東大合格を目指すマンガ「ドラゴン桜」では、身体を動かしながら公式などを記憶するという方法を紹介しているが、運動は記憶力を高めるのに良いらしい。
またヨガのポーズや空手の型など、頭と身体を同時に使う運動は、効果的らしい。
実際、適度な運動をすることによって、BDNFの血中濃度は3倍くらいに高められるらしい。
BDNFは脳の神経細胞から分泌されるので、運動することで脳を刺激すればBDNFの分泌が増えるらしい。
そして運動でBDNFを増やす場合、より効果的なのが「空腹状態で運動する」ということらしい。
夜8時以降食事を取らず、朝食を抜いて午前中に散歩したり軽い運動をすることで、BDNFは増やせるらしい。
また、日光浴も良いという。
というのもサーカディアンリズム(24時間周期の生理的変動)が崩れると、BDNF分泌量が下がるからだ。
毎朝、日光を浴びることによって生活のリズムをRESETすることで、BDNFが減るのを防げると言うことか。、
カマンベールでBDNFが増やせる?
BDNFを増やす可能性の高い食品として、次のようなモノが挙げられている。
- EPA、DHA(魚油)
- 緑茶(カテキン)
- ココアやチョコレート(カカオポリフェノール)
- 紅茶(テアニン)
- ブルーベリー(アントシアニン)
- オリゴ糖(プレバイオティクス)
- 大豆(エストロゲン)
- ターメリック(クルクミン)
- レスベラトール(赤ワイン、ピーナッツの薄皮)
- ビタミンE
抗酸化力が高いビタミンEやポリフェノールだとか、肝臓に良いターメリックだとか、意外に見慣れた食品が並んでいるね。
また近年、白カビ由来のカマンベールチーズを食べると、比較対照群と比べて有意にBDNF分泌量が増えたという報告もある。
一方、BDNFを減らす食品としては、
- 砂糖
- 単純炭水化物
- 高脂肪食
などが挙げられている。
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