認知症の原因はアミロイド・ベータ?
認知症で脳が萎縮する原因は、まだハッキリしていないらしい。
一時期、アルミニウムが原因か?とされたこともあったが、根拠がない説として否定されている。
ただ萎縮が起こっている脳内で、何が起こっているかは、少しずつ分かってきた。
まずアルツハイマー病の患者の脳では、アミロイド・ベータというタンパク質が、排出されずに溜まってしまうらしい。
このアミロイド・ベータ・タンパク質が集まったところが「老人斑」で、その周辺の神経細胞が傷んでいる。
アミロイドというのは、タンパク質のベータ・シート構造が、絡み合って繊維状になったものだ。
一番よく知られているアミロイドは、「クモの糸」で、クモの糸のような水に溶けない繊維状のタンパク質が、脳内に少しずつ溜まっていくらしい。
そしてアルツハイマー病以外でも様々なタイプのアミロイドが、様々な病気で見つかっている。
たとえば2型糖尿病や動脈硬化、パーキンソン病や関節リュウマチなどでも、別のタイプのアミロイドが溜まるのだ。
狂牛病の原因とされる「プリオン」も実はアミロイドの一種だという。
病気によって発生するアミロイドや、溜まる場所は異なるのだが、アミロイドができた周囲の細胞は、変性(劣化)し、ダメになっているらしい。
アミロイドがあるところの組織や細胞がなぜダメになるかは、まだよく分かっていないが、アミロイドを薬で取り除いても、認知症の進行が止まらないため、これは病気の残骸なのかも知れない。
アルツハイマー病は、第3の糖尿病?
アルツハイマー病患者の脳内には、アミロイド・ベータという、繊維状のタンパク質ができていて、アミロイド・ベータができる過程で周囲の細胞が変性してしまうらしい。
アミロイドというのは、簡単に言うと「クモの糸」のようなもので、あれが脳内に溜まっていくわけだ。
アミロイドは、2型糖尿病・パーキンソン病・狂牛病・動脈硬化・関節リュウマチなど、様々な病気で見つかっている。
そしてアミロイドができた周囲の組織は、変性して壊れていることが分かっている。
ただしアミロイドと細胞や組織の変性が、どう関係するのかは、まだ分かっていない。
アミロイドができるから細胞が壊れるのか、細胞が壊れたからアミロイドができるのか。
ただアルツハイマー病の患者の脳では、アミロイド・ベータを排出する能力も落ちているので、アミロイド・ベータのせいで細胞や組織が壊れるのだという説が有力らしい。
そしてアミロイドの話とは別の発見もある。
それが「アルツハイマー病は、脳の糖尿病」説だ。
以前から2型糖尿病患者が、アルツハイマー病になりやすい事は、よく知られていたことだったが、アルツハイマーと糖尿病に、関係があるという説も出始めたのだ。
というのも糖尿病を発症していないアルツハイマー病患者の脳を調べたところ、脳内インスリン濃度が低く、糖尿病患者のように、ブドウ糖が細胞に吸収されないらしい。
つまり脳がエネルギー不足に陥っていて、それが認知症につながると言うことらしい。